【最初に伝えていること】
初めて体験レッスンに来られるお子さんに、私が必ず伝えていることがあります。
それは、
「ピアノを大事に扱う」
「鍵盤を叩かない」
ということです。
それは、私がレッスンの軸にしている「奏法」とも関係があります。
【ピアノを大事に扱う、って?】
一般的なイメージで、ピアノの鍵盤を「叩く」という言葉も、普通に使われています。
そして、実際に世の中の多くの人が、指を上げて、打ち下ろすような弾き方をしています。
実はその弾き方では、腕や手指に無理がかかり、
音はキツく、うるさかったり、それでいて響かない、ということになります。
そして、それが普通のことだと思われています。ところが誰でも、ピアノの鳴るしくみと、身体の使い方、弾き方を知れば、もっと響く、きれいな音が出せるのです。
そして、あまり知られていないことですが
この弾き方をすると、ピアノの鍵盤のタッチが乱れてしまうのです。
私は教室で、初めてこられた、小さなお子さんにも
「先生のだいじなピアノだから、やさしく、だいじに弾いてね。」と言っています。
そして、こんなふうに弾くんだよ、と弾いてみせています。
そうすると、どの子も、一回でわかります。
もし、子どもが力を入れて叩くように弾くと、「ピアノがかわいそうだからね」と伝えています。
初めて体験レッスンにきた小さい子が、部屋に入ってピアノをみつけるとすぐに、バンバン!と叩く、ちょっとヤンチャな子も、います。そんな子にも、最初にきちんと話すので、次からは丁寧に扱うようになります。
私はレッスンで、お子さんを叱るということ(もちろん、怒ることも)は、まずないのですが、「叩く」ことだけは、はっきりと注意します。
しかし、それも最初だけです。
(写真:おとねっこピアノ教室 発表会より
小学生の生徒さん。教室の子は、どの子も打ったり叩く弾き方はせず、キレイな音で弾きます。)
他教室から移ってくるお子さんは、
「今まで『弾きかた』のことなんか、先生に言われたことがない」と言います。
それでも、「奏法」に気を配った弾きかたで、美しい音を出す、ということとの違いは、どの子もすぐにわかります。
音色が全然違うからです。
そして、最初の体験レッスンでは、グランドピアノの蓋をあけて「ピアノの構造」を見て、音の出るしくみのお話をしています。
【ピアノの構造からみた、奏法について】
ピアノは、鍵盤から繋がった「ハンマー」で、弦を打つという、「テコの原理」で音が鳴ります。
なので、指に力を入れて、鍵盤をバン!と底まで打つと、
すごい勢いで、ハンマーが弦を打つことになります。
奏法としては、「力を抜いて、腕や手の重みを鍵盤に乗せる」
という弾きかたが、美しい音をつくります。
ラクに思い通り弾く、という身体の法則とも一致します。
お子さんにはわかりやすい言葉で伝えていますが
小さい子でも、ちゃんとわかります。
【体験レッスンの保護者の方からのご感想】
ごきょうだいでの体験レッスンの、ご感想をいただきました。
『講師の印象について』
『とても、雰囲気の良い方で、こどもたちに対しても優しく接し、ダメなことはダメと伝えてくれてよかったです。またこどもたちのなぜ?にも丁寧に答えてくれて、こどもたちにも何で?という理由を優しく聞いもらえてよかったです。』
ここで言われている「ダメなこと」は、「ピアノを叩くこと」なんです。
【楽器を大事に扱う世の中に】
小学校の音楽室や、体育館にグランドピアノが置いてあっても、大切にされていることは、なかなかない、と思います。
ピアノは環境の影響を受けて音が変わる、「生きている、繊細な」楽器です。
ストリートピアノが流行っているこの頃ですが、
ピアノを置く環境、扱い方、含め
世の中で、もっとピアノを大切に扱う風潮になればいいな、
と私は本当に、願っています。
『奏法』
『ピアノのしくみ』
『ピアノのメンテナンス』
についても、また記事にしたいと思います。
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