毎年感じるのですが、おとねっこの子どもたちは、どの年齢の子も、その時のその子ならではの「輝き」がそのまま演奏に表れます。
今年の発表会も、全体の美しく心地よい流れを感じる、本当に素晴らしい時間となりました。
「発表会」をひとつの「コンサート」に
発表会は、日ごろの練習の成果を発表する場です。
そして同時に、当教室では、「7月のコンサート」と題しているように、ご来場の皆様にひとつの『小さなコンサート』として楽しんでいただけるようにと思っています。

聴いてくださるお客様、そして演奏する生徒自身にとっても、心地よく、調和したものとなるように、プログラムの構成はじっくりと考えています。
私はこのプログラムの組み方を、作曲家の師匠から教わり、長年その方法で組んできました。
聴いている方には無意識であったとしても、美しく調和したプログラムであれば、最後まで集中して音楽に浸っていただくことができます。
そして演奏する生徒自身も、前に演奏した人の曲から自分の演奏へと、違和感なく心地よい繋がりを感じることで、より自分の演奏に集中できるのです。
一人ひとりの「弾きたい!」から始まる曲選び
すべての生徒さんの曲は、私がいくつか提案した中から、本人が「弾きたい曲」を決めていきます。

すぐに「これがいい!」と目を輝かせて決める子。
何曲も聴いて、時間をかけてじっくりと選ぶ子。
それぞれが想いを持って選んだ曲をパズルのように組み上げていくため、プログラムは単純な「年齢順」にはなりません。
(どうやって組むか悩む時もありますが、最終的には毎年、素晴らしい流れのプログラムになっています!)

先生との作戦会議!自分の意見を言える成長
ここで、高学年の〇〇ちゃんのエピソードをご紹介します。
今回、彼女は2曲演奏することになりました。
① ロマン派の、クラシックピアノの王道の曲(貴婦人の乗馬)
② おしゃれな響きの、日本の作曲家の現代曲(ワルツ)
音楽の歴史(作曲された時代)の自然な流れから、私としては「①→②」の順番が良いと考えていました。
ところが、〇〇ちゃんはこう話してくれたのです。
「①の曲の終わり方が華やかなので、この曲を自分の演奏の最後にしたい!」
確かに②の曲はそっと静かに終わり、①の曲はフォルテで華やかに終わります。
○○ちゃんは、華やかに締めくくりたい気持ちだったのです。
調性としてはどちらが先でもOKだったのですが、プログラムの構成(作曲された時代や雰囲気の流れ)を考えると、私としては①→②の順序は大切にしたいところでした。
そこで、私のプログラム上の考えを話した上で、〇〇ちゃんの希望も取り入れるべく、二人で『作戦会議』をしました。
結論は……
「2曲を続けて弾くのではなく、第1部のトリと、第2部のトップバッターに分けて出演する!」
これで、コンサート全体の調和も保たれ、〇〇ちゃんの「華やかに終わりたい」という希望も叶えることができました✨
このように、自分の意見をしっかりと持ち、先生と対等に話し合うことができる。その成長が本当に素晴らしいなと思いました!
発表会当日にこのエピソードを紹介したところ、他の保護者の皆様からも、
「そうやってプログラムを組んでいるのですね」
「自分の意見を言えることが素晴らしい」
と、たくさんの反響をいただきました。
保護者様からの嬉しいメッセージ
後日、保護者の皆様からたくさんのご感想をいただきました。いくつかご紹介いたします。
「発表会全体を通して和やかな感じで、初めての参加でも聴きやすい環境だったと思いました。子どもにとって貴重な良い経験になりました。
ピアノを通じて、今後も音楽の楽しさを感じてくれることを願っています。」
「日ごろの成果を発表する場は、子供たちにとって本当に大事な場と感じました。
高学年の生徒さんが自分の意見をしっかり持ち、それを反映させたというのはとても素敵なエピソードですね。うちの子もそんなふうになってほしいなと思いました。」
「子供が成長し、学年が下のお子さんの演奏を聞いて微笑ましい気持ちになりました。
プログラム曲の順番のお話も勉強になりました。いつも素敵な時間をありがとうございます。」
「毎年、アットホームな雰囲気で、ゆったりとした気持ちで聞かせていただきました。」
「アットホームで温かい雰囲気の中、どの子も輝いていて素晴らしかったです。来年も楽しみにしています。」
「緊張しながらも一生懸命に弾く姿を見て、大きな成長を感じ、胸がいっぱいになりました。
1つの曲を最後まで仕上げる達成感を知れたことは、今後の大きな自信になると思います。」

みなさま、ご感想ありがとうございました!
身体で奏でる「生の音楽」が子どもたちを育む
冒頭に書いた、
「どの年齢の子も、その時の輝きがそのまま演奏に表れ、全体として美しく心地よい流れを感じるコンサート」になったこと。
私は指導者として、これをとても誇らしく思っています。
曲の難易度に関わらず、「芸術としての音楽」に耳を澄まし、丁寧に感じようとし、身体を通して演奏すること……それが、子どもたち一人ひとりの心を育ててくれているように思います。
美しい音色のための奏法、1音の質や表情に気持ちを向けること。
インターネットやAI、ゲームなど、バーチャルな体験が身近になっている現代だからこそ、
「身体を通して演奏すること」
「アコースティックな生の音楽を共有すること」
が、ますます、子どもたちにとってかけがえのない、貴重な体験になると信じています。










