おとねっこピアノ教室  

川西市向陽台の個人ピアノ教室です。「ピアノで幸せに!」を願ってレッスンしています♪ お問い合わせはホームページ http://kaoripiano.jimdo.com/ まで。

【発表会の振り返り その②】「あんな風に育ってほしい!」保護者様も感動した、高学年さんとのプログラム作戦会議。


毎年感じるのですが、おとねっこの子どもたちは、どの年齢の子も、その時のその子ならではの「輝き」がそのまま演奏に表れます。


今年の発表会も、全体の美しく心地よい流れを感じる、本当に素晴らしい時間となりました。

 

「発表会」をひとつの「コンサート」に

 

発表会は、日ごろの練習の成果を発表する場です。
そして同時に、当教室では、「7月のコンサート」と題しているように、ご来場の皆様にひとつの『小さなコンサート』として楽しんでいただけるようにと思っています。

 

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聴いてくださるお客様、そして演奏する生徒自身にとっても、心地よく、調和したものとなるように、プログラムの構成はじっくりと考えています。

 

私はこのプログラムの組み方を、作曲家の師匠から教わり、長年その方法で組んできました。
聴いている方には無意識であったとしても、美しく調和したプログラムであれば、最後まで集中して音楽に浸っていただくことができます。

そして演奏する生徒自身も、前に演奏した人の曲から自分の演奏へと、違和感なく心地よい繋がりを感じることで、より自分の演奏に集中できるのです。

 

一人ひとりの「弾きたい!」から始まる曲選び

 

すべての生徒さんの曲は、私がいくつか提案した中から、本人が「弾きたい曲」を決めていきます。

 

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すぐに「これがいい!」と目を輝かせて決める子。


何曲も聴いて、時間をかけてじっくりと選ぶ子。

 

それぞれが想いを持って選んだ曲をパズルのように組み上げていくため、プログラムは単純な「年齢順」にはなりません。
(どうやって組むか悩む時もありますが、最終的には毎年、素晴らしい流れのプログラムになっています!)

 

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先生との作戦会議!自分の意見を言える成長

 

ここで、高学年の〇〇ちゃんのエピソードをご紹介します。


今回、彼女は2曲演奏することになりました。

① ロマン派の、クラシックピアノの王道の曲(貴婦人の乗馬)
② おしゃれな響きの、日本の作曲家の現代曲(ワルツ)

音楽の歴史(作曲された時代)の自然な流れから、私としては「①→②」の順番が良いと考えていました。


ところが、〇〇ちゃんはこう話してくれたのです。

「①の曲の終わり方が華やかなので、この曲を自分の演奏の最後にしたい!」

確かに②の曲はそっと静かに終わり、①の曲はフォルテで華やかに終わります。
○○ちゃんは、華やかに締めくくりたい気持ちだったのです。

 

調性としてはどちらが先でもOKだったのですが、プログラムの構成(作曲された時代や雰囲気の流れ)を考えると、私としては①→②の順序は大切にしたいところでした。

 

そこで、私のプログラム上の考えを話した上で、〇〇ちゃんの希望も取り入れるべく、二人で『作戦会議』をしました。

結論は……
「2曲を続けて弾くのではなく、第1部のトリと、第2部のトップバッターに分けて出演する!」

これで、コンサート全体の調和も保たれ、〇〇ちゃんの「華やかに終わりたい」という希望も叶えることができました✨

 

このように、自分の意見をしっかりと持ち、先生と対等に話し合うことができる。その成長が本当に素晴らしいなと思いました!


発表会当日にこのエピソードを紹介したところ、他の保護者の皆様からも、
「そうやってプログラムを組んでいるのですね」
「自分の意見を言えることが素晴らしい」
と、たくさんの反響をいただきました。

 

保護者様からの嬉しいメッセージ

後日、保護者の皆様からたくさんのご感想をいただきました。いくつかご紹介いたします。

 

「発表会全体を通して和やかな感じで、初めての参加でも聴きやすい環境だったと思いました。子どもにとって貴重な良い経験になりました。

ピアノを通じて、今後も音楽の楽しさを感じてくれることを願っています。」

 

「日ごろの成果を発表する場は、子供たちにとって本当に大事な場と感じました。

高学年の生徒さんが自分の意見をしっかり持ち、それを反映させたというのはとても素敵なエピソードですね。うちの子もそんなふうになってほしいなと思いました。」

 

「子供が成長し、学年が下のお子さんの演奏を聞いて微笑ましい気持ちになりました。

プログラム曲の順番のお話も勉強になりました。いつも素敵な時間をありがとうございます。」

 

「毎年、アットホームな雰囲気で、ゆったりとした気持ちで聞かせていただきました。」

 

「アットホームで温かい雰囲気の中、どの子も輝いていて素晴らしかったです。来年も楽しみにしています。」

 

「緊張しながらも一生懸命に弾く姿を見て、大きな成長を感じ、胸がいっぱいになりました。

1つの曲を最後まで仕上げる達成感を知れたことは、今後の大きな自信になると思います。」

 

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みなさま、ご感想ありがとうございました!

 

 

身体で奏でる「生の音楽」が子どもたちを育む

 

冒頭に書いた、
「どの年齢の子も、その時の輝きがそのまま演奏に表れ、全体として美しく心地よい流れを感じるコンサート」になったこと。
私は指導者として、これをとても誇らしく思っています。

 

曲の難易度に関わらず、「芸術としての音楽」に耳を澄まし、丁寧に感じようとし、身体を通して演奏すること……それが、子どもたち一人ひとりの心を育ててくれているように思います。

 

美しい音色のための奏法、1音の質や表情に気持ちを向けること。


インターネットやAI、ゲームなど、バーチャルな体験が身近になっている現代だからこそ、
「身体を通して演奏すること」
「アコースティックな生の音楽を共有すること」
が、ますます、子どもたちにとってかけがえのない、貴重な体験になると信じています。

発表会「7月のコンサート」その①

7月20日、おとねっこピアノ教室の発表会「7月のコンサート」
無事、終えることができました!

年に一度の大きなイベント。
たった一日、たった一回の演奏のために、
たくさんの練習、準備をしてきてのこの日。

 

カメラマンの方から、たくさんの素敵な写真が届きましたので、写真とともに振り返りをしていきます。


プログラムは「子どもの部」のあとに、「大人の部」がありました。
まずは、「子どもの部」から、書いていきます。

 

子どもの部・ソロ演奏

日頃、コツコツ練習していても、やっぱり人前で演奏する「本番」は特別です!

今年も、みんなの輝く瞬間を見られて、私も誇らしく、幸せな時間でした✨

 

去年と同じく、子どもの部のプログラムは、休憩をはさみ、第1部、第2部としました。

今年のプログラムは

第1部:ソロ
第2部:ソロ・連弾
→講師演奏
→友情出演(歌と楽器ポピュラー曲演奏)
という構成です。

 

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オープニングは、恒例の、
生徒さんと私による連弾曲。ディアベリ作曲の連弾曲で、明るくスタートです!

 

そして、全員のソロ曲。
たった一人での舞台、緊張する瞬間です。
前に立ち、最後まで弾ききる。
みんな、素晴らしかった!✨

 

会場もほっこり和む、楽しい連弾

同学年のお友達と連弾
先生と連弾
ご家族で連弾


など、毎年、楽しいプログラムを披露しています。

連弾曲ならではの、素敵な曲もたくさん!
連弾だからこそ、ソロにはない編曲の面白さがあったり。
ソロでは、クラシック曲を演奏し、連弾でポピュラー曲を弾く子もいます。

 

今年は、小さい生徒さんの、お父さんとの連弾もありました。

そのお父様は、初めてピアノを習うお子さんのレッスンを見学するうちに、
それまで読めなかった、楽譜の読み方がわかってきたそうです!
今だからできる、親子での連弾。

素敵な思い出になりますね✨

 

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【写真:演奏を終えて。楽譜を渡しながら、一言】

 

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講師演奏

毎年、講師演奏として、私もソロを演奏しています。

今年はこれを弾こう!と決めてから、本番に向けて、私も本気で練習しています!

今年は、

シューマン作曲 ピアノソナタ第2番第1楽章
を演奏しました。

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なかなかハードな曲で、息つく間もないような集中力が必要です。

発表会の司会進行をしながら、講師演奏をすることは、なかなか鍛えられます^_^

 

友情出演・歌とギターとピアノ

今回は、歌とアコースティックギターのお友達にご出演いただき、私のピアノと一緒に演奏しました。

アコースティックギターは、優しい音色で、発表会の雰囲気にも合うと思いました。
プログラムの最後に、リラックスして聞いていただけるポピュラー曲を演奏しました。

 

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「ピアノとアコースティックギター」の組み合わせでの編曲の楽譜は、案外、少ない中、素敵な編曲の楽譜を見つけて選びました。

会場の皆さんにも一緒に歌っていただいたり、ほっこりした時間になったのではないでしょうか。

 

 

一人ひとりの気持ち

 

発表会後のレッスンで、お子さんたち一人ひとりに、発表会の感想を聞いてみました。

 

楽しかった!
と、笑顔で話してくれる子。

ちょっと間違えたけど、結構うまくいったと思う、と、達成感を表現してくれた子。

また大きく成長したことを感じさせてくれました。

次の記事に続きます!

 

「楽しさが続いてほしい」と願った母の想い。控えめな女の子が、自ら伴奏に挑戦するまでに成長した軌跡。

お子様の進学、進級おめでとうございます!
新しい環境がスタートし、またお子様の成長を感じられる季節ですね✨

おとねっこピアノ教室でも、新しく体験レッスンに来られるお子さんとの出会いがある一方で、この春、新生活や進学にともない教室をご卒業された生徒さんもいらっしゃいました。

 

今日は、遠方へのお引っ越しで卒業を迎えたある生徒さんの成長の思い出と、お母様からいただいた温かいメッセージをご紹介させていただきます。

 

小2での出会い。「進んでいる」ことと「弾ける」ことの違い


〇〇ちゃんが体験レッスンに来られたのは、小学2年生になる春のことでした。
それまでは大手教室のグループレッスンに通われており、テキストはどんどん進んでいる状態でした。

 

けれども、楽譜の読み方や音楽的な表現力が、その進んだ曲のレベルに追いついていない状態で、綺麗に弾くための「奏法(ピアノの音の出し方)」を身につけていく必要がありました。

 

そこで、体験レッスンでお母様とご本人に、私が大切にしている「奏法」や「読譜」、音楽的な基礎力についてお話をしました。
そして、思い切って**「基礎の、はじめのはじめ」**から丁寧にレッスンをしていくことになりました。

 

基礎が固まると、個性が音楽に現れる


レッスンを続けていくうちに、もともとピアノが大好きで練習熱心な〇〇ちゃんは、しっかりと基礎力をつけて、どんどん上手になっていきました。

丁寧に弾き方(奏法)を直し、無理のない美しい弾き方を身につけたことで、彼女の中にあった「音楽的な感性」が見事に開花していくのを見せてくれました。

 

「奏法」がしっかり身についていれば、その子の個性は、自然と演奏に出てくるものだと私は思っています。


〇〇ちゃんは、繊細で優しく、柔らかい表現がとても得意でした。

私が曲の「音楽的な感情表現」について話したり、アドバイスをして弾いてみせると、それを一瞬で感じ取り、すぐに自分らしい表現にして音に乗せることができる。


言葉ではなく、「音楽」でコミュニケーションができていると感じられ、私もレッスンをしていて本当に幸せな時間でした✨

 

控えめだった女の子が、自ら伴奏オーディションへ!


自信をつけた〇〇ちゃんは、学校の音楽会でのピアノ奏者のオーディションにも何度も挑戦!

合奏のピアノ奏者も経験したりと、普段のレッスンと違う良い経験になりました。
人前で演奏する本番の経験を一つ一つ重ね、毎年の教室の発表会でも、本当に素敵な演奏を聴かせてくれました。

 

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【写真:おとねっこピアノ教室 7月のコンサートより】

 

そしてこの春、小学校をご卒業され、ご家族で遠方へお引っ越しをされることになりました。新しい地域で、中学生になります。

 

最後のレッスンでは、これまでに弾いたお気に入りの曲を数曲、記念に録画することにしました。
実は日程の都合で、練習できる日が4日しかなかったのですが……〇〇ちゃんは、以前合格した時よりも、さらに自分の力で表現やテンポをブラッシュアップして、素敵に仕上げてきてくれたのです。

 

素敵な音楽表現を自分のものにできている〇〇ちゃんの成長した姿に、胸が熱くなりました。
最後にお母様とご挨拶でお話ししたときは、これまでの思い出があふれ出し、私も思わず涙ぐんでしまいました。

 

ピアノ教室の卒業にあたって、お母様からとても素敵なご感想をいただきましたので、ご了承をいただき掲載させていただきます。

 

卒業生のお母様からのメッセージ


(いただいたLINEより)

 

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先生、あたたかいお言葉をありがとうございます。
HPの件、少しでもお役に立てれば嬉しく思います。

大昔私が通っていた教室では、ピアノ教本を繰り返し練習するだけで、次第に楽しめなくなり辞めたので、娘には楽しさが続いて欲しいと思い、教室を探していた時におとねっこピアノ教室に出会いました。

 

先生のレッスンでは、音楽のマメ知識、背景の説明、ソルフェージュ、また連弾などで誰かと一緒に音楽を奏でる機会を作ってくださるなど、多岐に渡って『音楽は楽しいよ♪』を丁寧に教えていただきました。

 

控えめな性格ですが、自ら学校の音楽会のピアノ奏者に挑戦。ピアノオーディションを通じてクラス外でピアノの得意なお友達ができたりと世界が広がり、自然と音楽好きになってました。

 

中学では吹奏楽部で新たな楽器にも挑戦したいそうです。

奏でる楽しさを教えていただき、本当にありがとうございました。

文章が長くなりました。

またご縁ありましたら、是非よろしくお願い致します。

 

ピアノが「一生の友」に


おとねっこのレッスンで基礎を築き、しっかりピアノの演奏も上達して、心豊かに成長された〇〇ちゃん。

中学生になって新しい楽器に挑戦しても、きっとピアノが彼女を支える「一生の友」になることと思います✨


〇〇ちゃん、そしてご家族の皆様、新天地でのご活躍を心より応援しております!

「指」で弾くのはもう止めましょう。大人のピアノ上達に必要な、たった一つの「観察」習慣。

昨日の記事では、ピアノの構造上、最も美しく響く「エスケープメント・ポイント」についてお話ししました。

 

「狙う場所」は分かりました。
では、その場所を狙うために、私たちは**「身体」をどう使えばいいのでしょうか?**

 

いよいよ大人のピアノレッスンシリーズ最終回。
今日は、私の奏法の核心である**「身体の法則」**についてお話しします。

 

最初に結論を申し上げます。
指を鍛えることよりも、何よりも先にやるべきこと。
それは……

 

「自分の身体の感覚に意識を向け、観察すること」

 

これに尽きます。


合気道で学んだ「脱力」の正体

 

なぜ「観察」なのか?
そのルーツは、私が20代の頃に没頭した**「心身統一合氣道」**にあります。

 

心身統一合気道には、技をかける以前の基礎として「統一道」という稽古があります。


ただ立つ、座る、腕を出す。そんな単純な動作の中で、「全身の力を抜く(脱力)」「重みを下に落とす」ことを徹底的に叩き込まれます。

 

しかし最初の頃、私はこう思いました。
「力を抜けと言われても、どうすれば抜けるの?」
「重みを下って、どういうこと?」

言葉の意味は分かっても、身体がいうことを聞きません。

 

そこで気づいたのです。
達人たちの言葉は、**「(正しく体を使った)結果として、そう感じる」**という感想を述べているに過ぎないのだと。

まだその感覚がない私が、言葉だけを真似しようとしても無理な話でした。

 

ピアノも同じ。「結果」として現れる音

 

ピアノも全く同じです。
「肩の力を抜いて」「手首を柔らかく」
先生にそう言われて、必死に力を抜こうとして、かえって変な力が入ってしまった経験はありませんか?

 

大切なのは、外側からの命令で体を動かすのではなく、内側の感覚(センサー)を磨くことです。

 

⚫︎どこか一箇所を動かした時、背中はどう反応しているか?

 

⚫︎指先から鍵盤に触れた時、座骨(お尻の骨)はどう安定しているか?

 

このように、自分の身体を微細に「観察」できるようになると、不思議なことが起こります。
無理に脱力しようとしなくても、「結果として」余分な力が抜け、音が美しく変わるのです。


「寝ている間に上達する」脳の仕組み


この「観察する練習」の面白いところは、**「脳が勝手に仕事を始める」**ことです。

 

私が日々体験していることですが、練習中にだんだん上手くいってきた時、あえて完璧を目指さずに「今日の練習はこのくらいにして、また明日弾こう」と切り上げることがあります。

 

すると翌日、昨日よりもはるかにスムーズに、自然に弾けるようになっていることがよくあるのです。
まるで、寝ている間に脳の中で情報が熟成されたかのように。

 

これは、私が学んでいるフェルデンクライスの先生が仰る「脳の仕組み」にも、理にかなっています。


フェルデンクライスのレッスンでは、身体の動きを繊細に観察した後、必ずじっと横になって身体の変化を味わいつつ、**「休む時間」**を取ります。

 

実は、この「休んでいる間」にこそ、脳の中に新しい回路が出来上がるのだそうです。

 

もしこれが「指を動かす筋トレ」であれば、休めば筋肉は落ちてしまいます。


しかし、私たちがやっているのは**「感覚を入力する作業」**。


だからこそ、脳が睡眠中や休息中に、バラバラだった情報を繋ぎ合わせ、回路を完成させてくれるのです。

 

忙しくて長時間練習できない大人の方こそ、この**「脳に任せる練習法」**を知っていただきたいのです。

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【写真 私の演奏中。撮影:谷川由紀子】


今すぐ試せる!身体感覚のヒント

 

文章だけですべてをお伝えするのは難しいですが、私のレッスンで大切にしている「感覚のヒント」をいくつかご紹介します。
これを「やらなきゃ!」と思うのではなく、**「こんなイメージを持ったら、身体はどう反応するかな?」**と実験するつもりで読んでみてください。


⚫︎「指で弾く」意識を捨てる
一度、指のことは忘れましょう。指は単なるアンテナです。

 

⚫︎「水」のイメージを持つ
腕の付け根から指先に向かって、さらさらと水が流れていくイメージを持ってみてください。水は高いところから低いところへ流れます。

 

⚫︎指先は常に「下」
弾いていない指を、空中にピーンと持ち上げていませんか? 重力に任せて、指先は常に下へ。

 

⚫︎全身のつながりを感じる
指先、手首、腕、肩甲骨、そして背骨を通って、椅子の座面に当たる「座骨」、さらには足の裏まで。
一本の管でつながっているような感覚です。

 

 

21日間の旅を終えて


「速く弾こう」「形だけ整えよう」と焦らないでください。


丁寧にコツコツと、自分の身体を観察し、出てくる音に耳を澄ませる。


その先に、あなたがずっと求めていた**「自由な演奏」**が待っています。

 

さて、実は今日で**「ブログ21日間連続更新チャレンジ」**の最終日でした。

 

前半17日間は、お子さんの成長の物語を。
そしてラスト4日間は、大人のための深遠な奏法のお話を書いてきました。

 

長年、レッスン室の中で生徒さんと共有してきた「身体と音の秘密」を、こうして言葉にしてアウトプットできたことは、私にとっても大きな発見と喜びでした。

 

私の言葉が、ピアノに悩む誰かのヒントになれば幸いです。


これからは更新ペースを少し緩めますが、
「もっと詳しく知りたい」「実際に自分の身体で体感してみたい」と思われた方は、ぜひ一度、レッスン室へ遊びにいらしてください。

 

文字では伝えきれない「感覚」を、あなた自身の身体で受け取っていただく準備は、いつでもできています。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

 

「鍵盤の底まで弾く」は間違いでした。ピアノが最も美しく響く「あるポイント」の話。

昨日の記事では、私が師匠から学んだ「ピアノという楽器の法則」との出会いについてお話ししました。

今日は、さらに一歩踏み込んで、**「では、具体的にどう弾けばピアノは美しく歌うのか?」**という核心に触れます。

 

もしあなたが、子供の頃に**「鍵盤の底までしっかり弾きなさい!」**と習ってきたのなら……
今日の話は、少しショックを受けるかもしれません。

 

しかし、これはピアノという楽器の構造上の「真実」です。

 

「底まで」弾くのは、「弾きすぎ」だった?

 

結論から申し上げます。
ピアノの構造上、鍵盤を底まで押し込むのは、実は**「弾きすぎ」**なのです。

 

なぜなら、ピアノの音が鳴るスイッチ(発音点)は、底にはないからです。

 

これは、グランドピアノで実験してみるとすぐに分かります。(アップライトピアノでも、基本の仕組みは同じです)

 

【実験:音の鳴るポイントを探そう】

 

1.まず、鍵盤に指を軽く乗せてください。

2.そこから、音が出ないくらい、ゆっくり、そーっと鍵盤を押し下げてみてください。

3.すると、底に着く少し手前で、**「カクッ」とした引っかかり(抵抗)**を感じませんか?

 

……見つかりましたか?
実は、こここそが、音が鳴る「ポイント」なのです!

 

雑音のない「純粋な音」が生まれる場所

 

私は長年、このポイントを感覚的に捉えて指導してきましたが、

ある時、著名なピアニストであり指導者であるセイモア・バーンスタイン氏の著書で、これに明確な名前がついていることを知りました。

 

その名は、「エスケープメント・ポイント」。

 

ピアノは、鍵盤を下げることでハンマーが上がり、弦を打つ仕組みです。

しかし、鍵盤を底まで力任せに押し込んでしまうと、ハンマーが弦に押し付けられる形になり、弦の振動を止めてしまいます。
これが、音が伸びず、近くでうるさい「汚い音(夾雑音)」の原因です。

 

逆に、この「エスケープメント・ポイント(引っかかり)」を狙って打鍵すると、ハンマーは弦に当たった瞬間にきれいに離れ、弦は自由に振動し続けます。

 

これが、巨匠たちが奏でる**「遠くまで響く、透明な音」**の正体です。

 

鍵盤の「3つの段階」を理解する

 

分かりやすく整理すると、鍵盤には3つの深さがあります。

 

1.表面: 指が触れているだけの状態。

2.エスケープメント・ポイント: ハンマーが弦を打つ「発音点」。カクッとする場所。

3.底: 鍵盤が沈みきった地点。

 

私たちが狙うべきは、**「2」**です。

 

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【写真:うちのピアノの鍵盤で、左の写真が2のエスケープメントポイント。右の写真が、3の鍵盤の底です。よく見て比べてみてください。見えている隣の鍵盤の木目の数でわかるのではないでしょうか?】

 

ここでよくある誤解が、「底まで弾かないと、音が浮く(鳴らない)のでは?」という恐怖心です。
確かに、指先や身体のどこかに力が入ったままだと、コントロールがうまくできず、音が抜けてしまったりします。

 

しかし、私のメソッドである「身体の脱力」ができていれば、話は別です。

「2」の瞬間にエネルギーを伝え、あとは脱力する。

そうすれば、指は自然に「3(底)」まで降りますが、それは「押し込んでいる」のではなく、ただ「休んでいる」状態になります。

 

これこそが、響きを殺さずに、豊かな音を出す秘訣なのです。

 

 

 

初心者でも、すぐに「巨匠の音」が出せた理由

 

かなり専門的なお話になりましたが、これは難しいテクニックではありません。
むしろ、ピアノを習ったことがない方の方が、すぐにできることもあります。

 

実際に、体験レッスンでピアノ未経験の方にこの仕組みを説明し、「ここを狙って弾いてみましょう」と試したところ……
皆さん、最初から驚くほど美しい音を響かせることができました。

 

楽譜も読まず、ただ5本の指でこのポイントを感じながら連弾をする。
それだけで、極上の音楽体験ができるのです。

 

「指を鍛える」のではなく、「楽器の仕組み」に寄り添うこと。


これを知るだけで、あなたのピアノは劇的に変わります。

 

さて、音の鳴る「ポイント」は分かりました。


では、そのポイントを狙うために、具体的に「腕」や「身体」をどう使えばいいのでしょうか?

 

指先だけでコントロールしようとすると、また力が入ってしまいますよね。


明日の最終回では、いよいよ**「重力を味方につける身体の使い方」**についてお話しします。

あなたの長年の「指の悩み」が、解決する日になるはずです。
どうぞお楽しみに。

 

音大でも学べなかった「ピアノの盲点」。なぜ、アマチュアの大人の方が「美しい音」を出せたのか?

昨日の記事では、「大人のピアノは『身体への意識』で劇的に変わる」というお話をしました。
早速、身体の使い方の具体的なお話……と進みたいところですが、その前にどうしてもお話ししておかなければならない**「前提」**があります。

 

それは、**「ピアノという楽器の法則」**についてです。

 

これを知らないまま身体だけ動かそうとしても、車の構造を知らずにアクセルを踏み込むようなもの。
一般的にはあまり語られない、けれど決定的に重要な「ピアノの真実」をお伝えします。

 

もしかすると、音大を出た方やピアノの先生でも「初耳だ」という方がいらっしゃるかもしれません。

 

私の常識を覆した、ある師匠との出会い


少しだけ、私の過去のお話をさせてください。

 

以前の記事にも書きましたが、私は音大卒業後、自分の演奏に悩み、20代半ばで「心身統一合氣道」に出会いました。そこで身体の使い方を根本から見直したことが、今のメソッドの土台になっています。

 

その後、出産・子育てによる10年間のブランクを経て、40代で改めてピアノと本気で向き合い始めた頃、今から10年前のことです。


私に「奏法の基礎」を叩き込んでくれた、一人の師匠がいらっしゃいました。

その師匠は、驚異的な「耳」を持つ方でした。
師匠は常々、こう仰っていました。

 

「現状、本当に美しい音でピアノが弾けている人は、プロでも少ない」と。

 

「聴いていて身体が縮こまる音」と「緩む音」


師匠の教えは厳しく、そして本質的でした。


「多くの人が『ピアノの音とはこんなもの』と思っている音よりも、ピアノはもっと美しい音を出すことができる」

20代の頃に「自分の音が汚い」と悩んでいた私は、まさにそれを探していたのです。


私の体感で言うなら、こういうことです。

 

⚫︎どれほど難しい曲を弾いていても、聴いていて**「ぎゅっ」と身体が縮こまるような、硬い音。**

 

⚫︎たとえシンプルな曲でも、一音聴くだけで**「ふわっ」と身体が緩み、うっとりするような音。**

 

世界の巨匠と呼ばれる人たちの音は、間違いなく後者です。
そして私は気づきました。


「超絶技巧の難曲が弾けなくても、この『音質の美しさ』だけなら、身体の使い方次第で誰でも叶えられるのではないか?」と。

 

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【写真】私の演奏中。おとねっこピアノ教室発表会より (撮影 谷川由紀子)

 

鍵盤を「叩く」と、ピアノの状態が悪くなる?


もう一つ、師匠が大切にされていた教えがあります。
それは、**「弾き方によって、ピアノ自体のタッチ(状態)が変わってしまう」**ということです。

 

鍵盤を叩きつけたり、押し込んだりする弾き方をすると、繊細なピアノの調整が崩れ、タッチが乱れてしまうのです。


「公共のホールのピアノでも、前に誰が弾いたかでタッチが変わっている」と、師匠はよく仰っていました。

 

レッスンでは、「まだ奏法が身についていないうちは、先生の大切なピアノのタッチを乱してはならない」と、緊張感を持って鍵盤に触れたものです。

 

しかし、その厳しさの先にあった光景に、私は衝撃を受けました。


師匠の発表会で演奏されていたのは、専門教育を受けていない、50代〜60代の大人の愛好家の方々。

その皆さんの音色が、驚くほど美しかったのです。

 

音大教育の「盲点」だったもの


私が現在、レッスンで大切にしているのは、ボディーワークから学んだ「身体の法則」と、この師匠から学んだ**「ピアノという楽器の法則」**。
この2つの融合です。

 

ピアノという楽器には、構造上、最も美しく響くポイントがあります。


実は、**「鍵盤を底まで弾いてはいけない」**のです。

 

この物理的な法則と、それを繊細に感じ取る「身体の感性」


この両方が揃って初めて、ピアノは本来の美しい歌声を響かせてくれます。

 

これは、私が音大時代までに受けてきたレッスンでは教わらなかった、大きな**「盲点」**でした。

 

では、具体的に「鍵盤を底まで弾かない」とはどういうことか?
ピアノの中で、何が起きているのか?

 

次回の記事では、いよいよその核心である**「エスケープメント・ポイント」**と、具体的なタッチの秘密についてお話しします。
あなたのピアノの概念が、ガラリと変わるかもしれません。

 

何歳からでも変われる。「身体への意識」を変えるだけで、大人のピアノは劇的に変わります。

これまで17日間にわたり、お子さんのピアノレッスンについてお話ししてきました。
今日からの4日間は、少し視点を変えて、**「大人のためのピアノレッスン」**について深く掘り下げていきます。

 

かつてピアノを習っていたけれど、大人になって再開したい方。
ずっと独学で弾いてきたけれど、限界を感じている方。
そして、「もう一度、本気で向き合いたい」と思っているあなたへ。

 

今日はまず、皆さんが抱えている**「ある誤解」**を解くところから始めましょう。

 

「もう歳だから、癖は直らない」と思っていませんか?


子供のレッスンでは、真っ白なキャンバスに絵を描くように、最初から無理のない奏法を身につけていきます。
では、大人はどうでしょうか?

 

「もう何十年もこの弾き方だから、癖は直らない」
「子供のように体が柔らかくないから、脱力なんて無理だ」

 

そんなふうに、最初から諦めてしまってはいませんか?

 

正直に申し上げますと、以前は私自身も、指導者として迷いがありました。

「大人の凝り固まった身体を変えるのは、難しいのではないか?」と。

 

しかし、大人のレッスンを本格的に始めて数年が経った今。
50代、60代の生徒さんが、驚くべきスピードで上達し、音が艶やかに変わっていく姿を目の当たりにして、私は確信を持ってこう言えます。

 

「大人の方でも、意識さえあれば、いつからでも癖を改善し、演奏を劇的に変えることができる!」

 

それは決して、精神論ではありません。確かな「理由」があるのです。

 

合氣道、フェルデンクライス。私の「奏法」の正体


私が今の指導法にたどり着くまでには、少し変わった「探求の旅」がありました。

 

20代の頃、私は**「心身統一合氣道」の稽古に没頭し、日常生活からの身体の使い方を根本から見直しました。
さらに、身体意識を高める「ゆる体操」など。

40歳代からは脳と動きをつなげる「フェルデンクライス・メソッド」**を10年以上学び続けました。

 

これらは全て、趣味ではありません。
どうすれば、身体に負担なく、ピアノという楽器を最大限に響かせることができるか?
その答えを見つけるための研究でした。

 

20代までについた自分の身体の癖を取り、余分な力を抜き、「緩めて」、「身体の中心の意識」を作る。

「身体の使い方を変える」ことで、自由に繊細に、コントロールできる「身体づくり」。


それをピアノに応用することで、私自身の音も、演奏の喜びも、劇的に変わりました。

 

私の教室でお伝えしているのは、単なる指の動かし方ではなく、この**「身体の感性そのものを高めるアプローチ」**なのです。

 

「脳の回路」は、何歳になっても新しく作れる


私の教室には今、様々な大人の生徒さんが通われています。

 

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【写真】大人の生徒さんのレッスン。

 

⚫︎子供の頃のレッスンをやり直したいと、一から学び直す方

⚫︎お子さんのレッスンを見守るうちに、「私も」と火がついたお母様

⚫︎50代で一念発起し、遠方から通ってくださる熱心な方

 

そんな皆さんが、レッスンで私の奏法(身体の使い方)を体験した時、口を揃えてこう仰います。


「今までのピアノの常識と全然違う!カルチャーショックです!」

 

そして、実際に音が変わり、指が楽に動くようになるのです。

 

私の身体の師匠であるフェルデンクライスの先生の言葉に、こんな真実があります。

 

「身体の使い方の脳の回路は、何歳になっても、新しくできる。」


これは、希望の言葉です。


指の筋肉を鍛えるのではなく、「脳の回路」を書き換えることで、私たちは何歳からでも新しい技術を獲得できるのです。

 

あなたの「本当の音」に出会う4日間


もちろん、文章だけで身体の感覚をすべてお伝えするのは、私にとっても大きなチャレンジです。
本来は、直接お会いして、その方の身体の使い方を見てアドバイスするのがベストだからです。

 

ですが、このブログを通じて、
「私のピアノも、まだ変われるかもしれない」
そんな可能性を感じていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

 

明日からは、より具体的に、
「なぜ、頑張って練習しても弾けなかったのか?」
「身体の使い方を変えるとは、どういうことか?」
について、お話ししていきます。

 

大人の知的好奇心を刺激する、ちょっとマニアックで面白いお話になるはずです。
明日からの更新を、どうぞお楽しみに。