今日は、私が教室で多くのお子さんたちに使っている、「教本」についてのお話です。
【私の教本についての考え方】
現代の日本では、子ども向けのピアノ教本が、たくさん増えてきました。
選ぶ立場の講師としても、選択肢がいろいろある状況です。
そして、教本それぞれに特徴があります。
講師にとって必要となることは、その特徴をよく知ることや、教材を研究することです。
今の教材は、子どもが理解しやすいように、新しい課題が出るごとに説明や、「ワーク」(書いて覚えるような、お勉強的なもの)があるものが、多く出ています。
けれど、おとねっこピアノ教室では、ワーク的なことは、ほとんどしていません。
できるだけシンプルな教本を選び、その子の段階、必要に応じて、講師が工夫して、理解の助けになるようにレッスンをしています。
特に子どもにとって、
⚫︎音楽の理解をワーク的なものでやって→それを実際ピアノを弾くことに活かす、
というのは、大人の思うより難しいもので、
(左脳的な理解→右脳的な表現)(頭で理解→身体で表現)
⚫︎音楽の全体像を、実際の音で感じて→
それをある年齢・段階に応じて、左脳的に整理する
(右脳的に感じ取る→左脳的に整理する)(身体で感じ表現→頭で整理)
というほうが、子どもの発達を考えても、「音楽」のレッスンとしても、最適だと考えるからです。
【教材の進め方】
どの教材も、段階を踏んでレベルが上がっていくものなので、
一曲一曲、進むごとに、
どのように生徒に与えたら、スムーズに理解でき、力がつくか、
その子の年齢に応じ、一人一人の理解力をみています。
教本の進度はその子によって違うけれど、
例えば同じ曲を、小学校1年生にあげるときと、2年生にあげるときとで、説明のしかたは違います。
左脳的な理解は、年齢によって違うからです。
最適な「予習」や「下準備」をしてから、新しい曲をあげる。
それを大切に丁寧にしています。
新しい曲がどんな曲か。
しっかりとイメージができて、あとはお家で自分で練習すれば弾けそう♡
と本人がイメージできてから、宿題に出す。
というようにしています。
(写真:レッスン風景)
【その子をみて】
基本的に、小さい子に与える教材も、「曲が音楽的」であることが私の選択基準です。
教室で多くのお子さんが使っている教本がありますが、全員がその同じ教本でなくてはならないわけではなく、いくつか他にも、その子によって、また必要に応じて、教材の選択肢があるよう準備しています。
【教室で多くのお子さんに使っている教本】
長年、教室で多くのお子さんが使っている「トンプソン現代ピアノ教本」について、お話していきます。
⚫︎トンプソン 小さな手のためのピアノ教本
⚫︎現代ピアノ教本①②
を、使っています。
一見して、古風な見た目。
とてもシンプルで、説明は少ない。
子どもが自分で読んで理解できるような説明ではないので、講師が、お子さんが理解できるように丁寧な工夫が必要となります。
(なので、ピアノ講師さんでも「トンプソンは曲がきれいだけど、教えるのが難しい」という方もいらっしゃいます。講師側で工夫しないと、子どもがつまずくポイントがいくつもあったりします。)
アメリカの古い教本ですが、私は30年ほど(以上?)生徒に使ってきて、かなり研究してきたと思います。
曲の内容が美しく、編曲がよいということ、
音楽的に質が高いこと、
新しい教本が出版されても、トンプソンはいつまでも良いな、と変わりなく感じています。
またブログで、教本の曲から、実際のレッスンについてのお話も書きたいと思います。
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