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ピアノは生きている その①~「響きを聴くレッスン」のために - かおりピアノ教室~兵庫県川西市 松尾かおり
この夏の猛暑、というより酷暑。
人間にとっても本当に大変でしたが、ピアノにとってもそうでした。
ピアノの部屋の温湿度計をチェックしながら、
除湿機を、使ってはいました。
しかし、猛暑が続くようになり、レッスンのときと自分の練習のとき、強めにエアコンを効かせるようになって(暑すぎて…)、
ある日突然、
「!!? えっ⁉」
生徒さんのレッスン中、ある部分の音が、変なことに…!
フェルトのような、音になってしまいました。
シフトペダル(グランドピアノの左のペダル)、
楽譜に「u.c. =ウナコルダ」と指示があったときに使う、弱音ペダルなのですが、
このペダルを踏むと、鍵盤とアクションが右にずれて、
鍵盤とつながったハンマーが、3本の弦を打っていたのが、
ずらしたために2本の弦だけに当たるようになる というものです。
まるで、そのペダルを踏んだときにちょっと似ているような…
それで、フェルトっぽい感じの音です。
とっても困ってしまいました。
発表会前だったので。
いくつかそんな音が混ざり、試しに、私がソロで弾くために練習していたショパンを弾いても、
音質がバラバラなので、我慢ならない...、
これでは、聴くのが辛くて、私はとても弾けない…!
調律師さんにお電話したら、
お忙しい中、かけつけてくださいました。
見ていただいたら、なんと、暑さと温湿度の差にやられ
鍵盤からハンマーにつながるアクション部分を、とめてあるアルミが、
反ってしまっていたそうです!
ひとつひとつ調整して、応急処置してくださいました。
それで、温湿度管理の再度見直しをしました。
ベストな湿度は50%くらいなのですが、
それまで、この夏は、
ひどいときは70%を超えて、80%近くなるような日もあり、
エアコンをかけると、一気に湿度が下がり、
ハッと気付くと40%になっていることも…。
これでは、ピアノもしんどかったと思います。
それから、
一日何回も、湿度計チェックしながら、
エアコンの使いかたを見直し、調整、
除湿機は24時間フル稼働。
わかったのは、
エアコンは、温度設定より、風向と風量設定に気を付ける必要がある。
必ず弱風。風向は上向き固定。
単にそれだけで、湿度は下がりすぎることはなくなり、ベストの50%を保てるようになりました。
ピアノの部屋の構造上、除湿機が効きにくい。
24時間フル稼働は基本。
エアコンをかけるときは除湿機は切り、かけないときは除湿機をかけっぱなし。
ちなみに、除湿機はいいものをと
「コンデンス除湿機」を購入しました。
おまかせ設定で、50%を目指し、自動で調整になります。
それで、だんだんピアノの音も、安定してきました。
しかし、一日泊りで出かけて、帰宅してみると。
また…!
フェルトの音になってしまいました。
除湿機はかけっぱなしで出かけたのに…。
暑すぎて、追いつかなかった(湿度だけでなく温度もやっぱり影響がある)、ようです。
こんな酷暑だと、昼間はエアコンも要るんですね。
(エアコンかけたまま出かけないといけないのか…⁉)
あぁ…とがっかりしましたが、
2・3日で音の調子が戻りました。
本当に、ピアノは生きていますね。
気温によって、「今日の音は…」と毎日変化がある、
そんな厳しい夏でした。
ピアノさんに、しんどい思いをさせました。
人間にとってもしんどかったですね!熱中症のニュースも多かった。
エアコンがないと居られない、なんてひどい暑さは
今年だけでおしまいだといいですね…。
9月になって、涼しくなり、
ピアノの音も、すっきりとしてきました。
本当にほっとします。
気温が落ち着いてから…ということで、もうすぐ調律に来ていただくのが、楽しみです。