今は(私たちが子どもの頃とは違い)、幼児さん向けのわかりやすい、
親切なテキストがいろいろあります。
学びかた(教えかた)も選択肢がたくさんあります。
けれど、私は子どもが何かを学ぶとき、
①できるだけその年齢に沿って、そしてその子のもっているもの(個性)に応じて、
②なるべく、学ぼうとする対象の根源的なところから体験して
いくのがいいなと思っています。
楽譜の場合。
私たちはそれを読んで、音楽を頭の中で鳴らしたり演奏するわけですが、
本当に「うまくできているなー」と思うのです。
たとえば「音の高さ」。
これは、実際には高い音を、紙の上では上に、
実際に低い音を五線の下のほうに書きます。
文字を左から右に書くように、時間とともに楽譜も左から右にすすみ、
「音の長さ」についても、
長い音は広いスペース、短い音がたくさんあると詰まって書かれます。
こういうことを、楽譜を見せて
「これがドの音」「こう決まってます」と小さい子にいきなり教えるのではなく、
楽譜をつくってみたりするところからはじめたいなと思います。
五線とかなしで、美しい色のみつろうクレヨンで
”音のかたまり”を描いてみたり
いろんな色の折り紙を並べて楽譜をつくってみたり
などなど、体験してもらっています。
結局は、楽譜を読むという結果は同じなのですが、
体験したことは、その子の根っこに、
しみこんでいくのではないかと思っています。