大人のかたの、ピアノレッスン。
レッスンに来られるようになって8ヶ月、ピアノ経験者の女性Nさん。子どものころから大人になるまでピアノは習っておられたそうです。
お子さんも独立されて、長い間弾かずにいたけれど、実はずっと気になっていたという、ピアノのお稽古を始められました。
はじめは、もう新しい曲の楽譜も読めない、とおっしゃって、手や指も動きにくい感じでした。
でも今は、ご自分でどんどん新しい曲を練習してこられます。
身体の動きについて、音楽の内容について、毎回、私のお話を熱心に聴いてくださり、その場で演奏も変化があるし、お家でも練習が熱心。なにより、「本当のものをつかみたい」という想いが伝わってきます。
今日も、レッスン後にお話をしていました。
人生、いろいろしんどいときもあるけれど、ピアノがあり、レッスンに来られることを喜びとし、心の支えとしてこられました…という内容のお話をいただきました。
…本当に、教師冥利につきます。
でもそれだけではなく、過去の大作曲家たちの残してくれた楽曲の素晴らしさ、その力のためだとも思うのです。
私も頭の中で音楽が鳴っているだけで、どれだけ日々のルーティンワーク（家事など）しながらも幸せなきもちでいられることがあるでしょうか。
そして、身体を通して演奏する喜びは、体験してこそわかるものかもしれません。
それには、「本当に身体とおして自分の音楽が演奏できること」だと思うのです。
それをつかみたい、私の言葉でいうと「身体の感性を磨きたい」という真剣さと、その方向性で道を進みはじめておられるからこその、Nさんの「本気さ」だと思います。
私もNさんの本気さに刺激を受けます。そして真剣です。
今日も、いろいろなご提案もし、そしてピアノ以外からのアプローチも考え中です。
