これまで17日間にわたり、お子さんのピアノレッスンについてお話ししてきました。
今日からの4日間は、少し視点を変えて、**「大人のためのピアノレッスン」**について深く掘り下げていきます。
かつてピアノを習っていたけれど、大人になって再開したい方。
ずっと独学で弾いてきたけれど、限界を感じている方。
そして、「もう一度、本気で向き合いたい」と思っているあなたへ。
今日はまず、皆さんが抱えている**「ある誤解」**を解くところから始めましょう。
「もう歳だから、癖は直らない」と思っていませんか?
子供のレッスンでは、真っ白なキャンバスに絵を描くように、最初から無理のない奏法を身につけていきます。
では、大人はどうでしょうか?
「もう何十年もこの弾き方だから、癖は直らない」
「子供のように体が柔らかくないから、脱力なんて無理だ」
そんなふうに、最初から諦めてしまってはいませんか?
正直に申し上げますと、以前は私自身も、指導者として迷いがありました。
「大人の凝り固まった身体を変えるのは、難しいのではないか?」と。
しかし、大人のレッスンを本格的に始めて数年が経った今。
50代、60代の生徒さんが、驚くべきスピードで上達し、音が艶やかに変わっていく姿を目の当たりにして、私は確信を持ってこう言えます。
「大人の方でも、意識さえあれば、いつからでも癖を改善し、演奏を劇的に変えることができる!」
それは決して、精神論ではありません。確かな「理由」があるのです。
合氣道、フェルデンクライス。私の「奏法」の正体
私が今の指導法にたどり着くまでには、少し変わった「探求の旅」がありました。
20代の頃、私は**「心身統一合氣道」の稽古に没頭し、日常生活からの身体の使い方を根本から見直しました。
さらに、身体意識を高める「ゆる体操」など。
40歳代からは脳と動きをつなげる「フェルデンクライス・メソッド」**を10年以上学び続けました。
これらは全て、趣味ではありません。
「どうすれば、身体に負担なく、ピアノという楽器を最大限に響かせることができるか?」
その答えを見つけるための研究でした。
20代までについた自分の身体の癖を取り、余分な力を抜き、「緩めて」、「身体の中心の意識」を作る。
「身体の使い方を変える」ことで、自由に繊細に、コントロールできる「身体づくり」。
それをピアノに応用することで、私自身の音も、演奏の喜びも、劇的に変わりました。
私の教室でお伝えしているのは、単なる指の動かし方ではなく、この**「身体の感性そのものを高めるアプローチ」**なのです。
「脳の回路」は、何歳になっても新しく作れる
私の教室には今、様々な大人の生徒さんが通われています。

【写真】大人の生徒さんのレッスン。
⚫︎子供の頃のレッスンをやり直したいと、一から学び直す方
⚫︎お子さんのレッスンを見守るうちに、「私も」と火がついたお母様
⚫︎50代で一念発起し、遠方から通ってくださる熱心な方
そんな皆さんが、レッスンで私の奏法(身体の使い方)を体験した時、口を揃えてこう仰います。
「今までのピアノの常識と全然違う!カルチャーショックです!」
そして、実際に音が変わり、指が楽に動くようになるのです。
私の身体の師匠であるフェルデンクライスの先生の言葉に、こんな真実があります。
「身体の使い方の脳の回路は、何歳になっても、新しくできる。」
これは、希望の言葉です。
指の筋肉を鍛えるのではなく、「脳の回路」を書き換えることで、私たちは何歳からでも新しい技術を獲得できるのです。
あなたの「本当の音」に出会う4日間
もちろん、文章だけで身体の感覚をすべてお伝えするのは、私にとっても大きなチャレンジです。
本来は、直接お会いして、その方の身体の使い方を見てアドバイスするのがベストだからです。
ですが、このブログを通じて、
「私のピアノも、まだ変われるかもしれない」
そんな可能性を感じていただけたら、これほど嬉しいことはありません。
明日からは、より具体的に、
「なぜ、頑張って練習しても弾けなかったのか?」
「身体の使い方を変えるとは、どういうことか?」
について、お話ししていきます。
大人の知的好奇心を刺激する、ちょっとマニアックで面白いお話になるはずです。
明日からの更新を、どうぞお楽しみに。






