前の記事で、
身体のどんな動きにも「質」がある、
ということを書いたのですが、
続きです。
では具体的に、(ピアノ演奏に限らず、身体の動きとして)
「質のよい動き」とは、どんなものでしょうか。
「効率のよい動き」と言い換えられると思います。
身体のどこかに、無駄な力が入っていない。
身体の部位の必要な部分が、必要な分量の力で仕事する、
無理のない、スムーズな動きです。
身体もラクで、きもちのよい動きです。
そして、身体のどこかを動かすと、
身体のほかの部位がどうなっているか、
「氣づいている」「感じられる」状態です。
(それについては、また後の記事に書きますね。)
逆に、「質の悪い動き」は、身体のどこかに余分な力が入り、
そうやって動かすことが癖になっていく。
そして、身体全体がどうなっているか、自分では氣がつかない。
という状態です。
ピアノ演奏では、
動きの質がよいと、動きがスムーズで
音もよくなり、表現も豊かになります。
反対に質の悪い動きだと、
思い通りに動きづらく、身体に無理がかかり、
たくさん繰り返して練習を重ねると
痛みや傷み、故障になりやすいのです。
ところが。
技術的に難しい曲を『上手に』弾ける人の
動きの質がよいとは限らないのです。
(歴史的に有名なピアニストにも、
痛みや故障に悩んだ人たちもたくさんいます。)
音楽的な構想がよかったり、なんといっても練習量でカバーして
難しい曲が弾けるからです。
(一時的には。長期間には故障がおきることもある。)
ピアノ演奏は、指の訓練だと思われがちですが
本当は、身体全体の動きなのです。
私たちが子どものころよりも、今のピアノ教育は、
手首や腕の「脱力」が言われるようになりました。
でもまだまだ、現代でも
幼い年齢から音大レヴェルでも
身体全体の動きについてトータルで学べる機会は、少ないようです。
それではなぜ、私は教室で
小さい子にも身体の動きを大事に指導しているか
また書きたいと思います♪