おとねっこピアノ教室  

川西市向陽台の個人ピアノ教室です。「ピアノで幸せに!」を願ってレッスンしています♪ お問い合わせはホームページ http://kaoripiano.jimdo.com/ まで。

シューベルトを弾きました。

12日日曜日、公開演奏会で弾きました。

丸一日以上過ぎてもまだ、

高ぶった気持ちがさめきらない感じです。

 

今頃になって、

「あぁ、私はずっとずっと、

こんな演奏ができるようになりたかった。

夢だったんだ」なんて、

ふと、思ったりしています。

 

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聴きにきてくださった方に、花束をいただきました。

(手ぶらでお越しください、とみなさんにお伝えしていたのですが)

素敵なお花、ありがとうございました!

 

お世話になっている作曲の先生の会の、

プログラム最後に演奏しました。私の演奏曲目は

 

シューベルト 作曲

4つの即興曲 op.90・D899  より 第1番 ハ短調

4つの即興曲 op.142・D935 より 第2番 変イ長調

 

あわせて15分弱です。

2曲目は、プログラム全体のトリとして

会の最後にふさわしく明るめの、聴きやすい曲ですが、

 

ボリューム的に、メインは1曲目のハ短調です。

「一般的に」ですが、この演奏曲目を聞いて、

あ、あの曲好き、聴きに行きたい、と思うような曲ではありません。

華やかでなく、暗い雰囲気で地味で

やたら長い曲…という印象ではないでしょうか。

弾く人によっては、「聴きにくい曲」になりがちかも。

 

実際私も、練習期間中、どうしてこんなしんどい曲を選んだのか、

と思った時期もありました。

この曲は、

はじめに暗く寂しいテーマ(主題)が流れ、

次々に違う雰囲気、違う調に転調されながら変奏されていき、

突然に雰囲気が変化し

テクニック的にもあらゆるものが出てくる、

この長い曲をどうやって飽きさせずに「聴かせるか」、

その難しさに、自分のものにできるか不安でした。

 

それが、練習するうち、

もともと私が大好きで、長年、最も親しく感じている作曲家、

シューベルトらしい曲の魅力を感じ、

曲の世界に夢中になりだしました。

 

前の記事、いくつか前のにも書きましたが

今回の練習で、弾き方が変わって

身体の使い方、音の響かせ方で、つかんだものがあったので

その面でも、練習に夢中でした。そして

 

最後の追い込みの2週間ほどで

表現上もどんどん深まって、本当に「濃い」日々でした。

暗譜も難しかったのですが

寝ても覚めてもという感じで

本当に毎日、夜中に目が覚めても、頭の中で、

弾いているつもりで指に意識を送って

曲をさらっていたりしました。

 

演奏本番。

 

あらゆる雑念を追い払って。

ピアノの鍵盤に触れた瞬間から

曲の世界に入り込み、

響きを味わって楽しみ、

あらゆる感情を体験しながら。

こんな、表現する喜び、演奏の喜びは

生まれて初めてでした。

 

これだけ

音楽に集中して表現できたのは

この場、そして聴いてくださる方があってこそ。

一回きりの、本番にしか、ありえないこと。

 

先生によると、

リハーサルでも音がよかったけれど、

リハーサルよりずっと本番が、よかったそうです。

リハーサル後に、どういう化学変化がおきたのか、

っておっしゃっていました。

(きっと、本番を待つ間に、

ピアノにあわせて身体が自然と、調整したんだと思います。)

 

それから、こんな言葉をいただきました。

 

音が本当によく響いて、いい音だったよ!

そうそう、その音!!という感じだった。

そして、意思が強く感じられ、聴きごたえがあった。

本当によかったよ。

聴いている人も熱心に聴いておられ、

聴く人を惹きつけて離さない演奏、見事だった。

あの、「シューベルト的長さ」の曲を

あんなふうに弾いてもらえたら、シューベルトも浮かばれるわ。

 

と、ほめてくださいました。

シューベルト的長さとは、彼のピアノ曲にありがちな

実際曲も長いうえ、感情が揺れながら、いつまでも長く続くようで

聴くのが苦手という人もわりと多い。)

クラシック音楽を聴き慣れないお客様も多く、

お子さんたちも含め、集中して聴いてくださいました。)

 

本当に尊敬する先生、

音楽の感性も音に対する耳も素晴らしく、そして厳しい先生に

そこまでほめていただいて

それは、嬉しかったです。

 

最後の2週間、そしてリハーサルから本番と

発酵・醸造 したね!

とも。

 

聴きにきてくださった方にも、よかったと

たくさん、言っていただきました。

 

そして自分自身、

こんな満足感のある体験は初めてでした。

 

サロンでの演奏会で

聴く人も演奏する人も同じ会場で

聴く人の空気感も、演奏者の感情も

一体となる感じでした。

共鳴しあえたんだと思います。

 

聴いてくださったかたの

「よかったよ~!!」の生の声。表情。

どこがどうとか、そういうことは一切おっしゃらなくても

伝わったんだな!ってわかり、嬉しくて。

 

集中しきったので、

自分で思ったよりエネルギーを使っていたようです。

そして、

私事ですが、演奏当日は娘の高校受験の日でもあり

練習追い込みの時期に、実家の父の入院、母の健康上の問題など

たくさん重なりましたが、

なんとか時間を作ってピアノに向かい、

いつも音楽の喜びが、支えてもくれました。

 

導いてくださった先生

聴きに来てくださったみなさん

音楽とシューベルトに。

感謝します。

あの場を、音楽を共有できて幸せです。