おとねっこピアノ教室  

川西市向陽台の個人ピアノ教室です。「ピアノで幸せに!」を願ってレッスンしています♪ お問い合わせはホームページ http://kaoripiano.jimdo.com/ まで。

何のために練習するのか

楽器の中でも特にピアノは、上達するためには

子どもの頃に習い始め、たくさん練習しなければならない、

と言われています。

それは確かにそうなんです。

 

たとえば音楽大学でも、

管楽器専門の人は中学校の部活で始めた、という人や、

高校生で声楽を始めた、という人も多かったりする一方、

ピアノ専攻の人は、子どもの頃からコツコツ練習を積み重ね、

演奏会や試験の前には毎日何時間も、何ヶ月も練習します。

 

それが大人になれば。

日々の仕事や家事や子育てもあると、

自分のピアノの練習時間を多く取るのが、難しくなりがちです。

ピアノ講師は指導者で演奏家ではないので、

練習の必要はない、という考えもあります。

 

それでも私は、弾き続けたい。

小さくても、また少しづつ演奏活動も続けていきたいし、

毎日欠かさず、忙しい日でもほんの短時間でも、

ピアノの練習時間を取りたいのです。

 

では、「練習」って、何のためにするんでしょう。

これについては今の私は、

迷いなく、自信を持って答えることができます。

今、私が生きているから

 

私にとって、これと、似たことなのだと感じています。

 

生まれて少しの赤ちゃんは、初めは自分では何もできない、

ただ寝かされている存在です。

それがなぜ、

自分で少しづつ身体をねじり、寝返りをうてるようになり、

腹ばいになり、首を持ち上げて周りを見始め、

前に進もうとして…ハイハイができるようになり、

一生懸命練習をして、

ある日、

立つことができるようになり

何回も、こけたり失敗してもあきらめることなく

歩くことができるようになるのでしょう!?

 

面白いから、動きたいから。

それは赤ちゃんの成長のシナリオどおりなのでしょうが

きっと、本人は、そうせずにはおられないくらい面白くて仕方ない、

衝動のようなものがあるのだと思います。

何も、無理してがんばっているのではありません。

 

子どもが、初めて「たっち」したときの感動を今も覚えています。

身体を持ち上げて立てたときの、びっくりしながら、誇らしげな表情。

「立つ」ことの喜び。

それは、生きている喜びだと思います。

(今、思っただけで涙が出そうになります!)

 

ピアノも「練習」が必要ですが、

日々の練習そのものが、全部、

赤ちゃんが成長するために練習しているようなことと、

似ているところがある、と私は感じています。

 

身体を通してピアノを弾く、音楽が身体を通る喜び

を体験することが喜びであり、面白い。

毎日弾くことで、自分がそれを感じることが、

生きる喜びなのです。

 

そして弾く曲は、大作曲家が残した内容の深い、美しい作品だと、

練習の喜びが深くなります。

弾くことで、その美を体験できるからです。

 

だから生徒さんにも小さい頃から、

なるべく、音楽的な美しい曲を体験してもらいたい。

そして、身体を動かす喜びを体験してもらいたい。

 

それは私の指導者としての、価値観です。

 

それは「うたごよみ」でやっているうたあそびでも、同じで、

もっと根源的なもの。

歌い、からだを動かす、そのことが喜び。生きる喜びそのものです。

それを体験してもらえていると思います。

 

練習は、人と比べるものではないのです。

子どもだろうと、学生や専門家だろうと、レベルに関わらず、

ピアノが好きなはずなのに、練習がしんどいということもあります。

それは、何かが調和を欠いているのかもしれません。 

(かつての私もそうでしたが…。)

自分として調和した練習ができるようになれば

学生でも大人でも何歳になっても、ゆっくりマイペースでも

ピアノと友だちで、続けていくことができるのです。