小学生の私は、「ピアノの先生になりたい」と文集にも書いていました。
しかし高校生のとき、「ピアノの先生は面白い仕事なのか?」と疑問に思ったことがありました。それは、ひとりでする仕事なので、孤独なのでは?と思ったからでした。
18歳からピアノを教え始めて、26年。
ピアノ講師は、面白くてやりがいのある仕事だ!と思っています。
今振り返ってみると、20歳代のころたくさん生徒さんを持っていましたが、まだまだ指導の面でも、なにより子どものことについて、心理面の理解も、未熟だったなぁと思います。生徒さんから学ばせてもらってきたと感じます。
今は、自分自身子育てをして、たくさんの子どもや、日常でのいろんな人と関わりが、すべて学びであり、ピアノのレッスンにも生かすことができる…
そういう意味で、ほんとうに有難い仕事だと感じています。
個人レッスンなので、生徒さんひとりひとりとじっくり向き合います。
ひとりひとり、個性は全く違います!
そして、レッスンを続ける間に、子どもはどんどん成長し、ピアノの技術面だけでなく、心が成長します。
レッスンで生徒さんをみていても、自分の子どもの子育てでも感じますが、
心の成長は、ただまっすぐ坂を登るような成長ではありません。
たとえば今まで明るく無邪気だった幼い子が、成長とともに、何か自分のマイナス面が気になるようになってきたり、思春期になってくると感情が嵐を起こしたり、いろいろな変化があります。
幼い頃にはただ素直に出せていた感情が、成長とともに、自分でも原因がわからずまっすぐに出せないこともあります。
そんなときも、大人が上から目線で「こうしなさい」というのは厳禁。
私は、「カウンセリング」の立場で、その子の心はどうなのかな?どうしたいかな?と自覚を引き出し、それを表現できるように、声かけし、成長の過程の心の動きをいつでもずっと見守っていたいと思っています。
講師には、心理学などの勉強も役に立ちますし、なにより自分自身のありかたが問われると日々感じます。
ピアノのレッスンも、ただ演奏技術を教えるだけではないと思います。
子どもはそれぞれ、もともと持っている個性があります。それを生かし、どのようにやる気を出して学ぶか…
それには、指導者のありかたが重要。そして親御さんの態度の影響力も大きいと思います。
その意味で、自分自身がいつも軸をしっかり持ちながら、子どもの状態を感じ取ることが大事。
ピアノ講師という仕事は、人と関わる仕事。
学校の先生よりずっと長く、子どもを近くでじっくり成長を見守ることができる
素敵な職業です。